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【マギ】ジャーファルさんに愛されて。

第5章 師との決別…、新たな契約を。


翌朝、私は赤髪の青年に「シン王がお前を呼んでいる」と言われ、ソファでぐっすり眠っているジャーファルさんを起こさないように部屋を出た。

『人を殺せば…本来なら処刑しているはずだが、ジャーファルの説得で、君を兵力として置くことにした』

シンドバッドは笑って私に近づき、頭を撫でた。
私を覆っている数量の青いルフを見て、安心したような表情を浮かべてマスルールと呼ばれる赤髪の青年に部屋を案内するように言った。

*  *  *  *

「マスルールさん」
「……ん?」
「ジャーファルさんは…、何をされてるんですか?」
「あの人は政務官だ。シン王は仕事をしないから、ジャーファルさんが追いかけてシン王に仕事をさせている」

部屋は書類だらけで、とても綺麗とは言えないものだった。
それに…

――――――――袖から見えた赤い紐…刃物。

痛々しいほどのたくさんの傷。
ひどく疲れきっているような顔をして眠っていた。

(ジャーファルさんの為に、私は何ができるだろう…?)

そんな考え事をしていると、部屋にたどり着き、中に入った。
綺麗な装飾品は相変わらずで、服も、ベッドも、すべてが備えられている。
マスルールさんは「じゃあ、これで」と部屋を出て行った。
ベッドに飛び乗り、ふかふかな毛布に顔を埋める。

(ジャーファルさん…)

今頃、もう起きて、仕事をしているのか。
疲れて倒れていないだろうか。
昨夜、あんなことをされていても、彼は私を助けてくれた人。
彼のことを心配せずにはいられなかった。

「汝、我の従者よ。彼に安らぎを」

呟くように言い、いっそう輝きを放つルフを窓から飛ばす。
ルフは私の部屋の真下をずっと飛んでいき、消えた。
私は5階の自分の部屋の窓から飛び降り、影でクッションを作って上手に着地した。
辺りを見渡すと、強そうな兵が立っている。

(暇だもん、人いない所で鍛錬しよ…)

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