第13章 【影】
死んで青いルフになっても、シェリルは綺麗だった。
可憐に飛んで、僕の中に入る。
ふと窓を見ると、シェリルの容姿になっていた。
―――――ジャーファルに、さよならって伝えて…。
「それで、君はいいの、幸せなの」
―――――…影…。
「君は、もう、傷つかなくてよかったのに…!!」
大好きな彼女の声で、軽く廊下に響く程度に叫ぶ。
溢れる涙が止まらない。
彼女の幸せを一番に考え、願ってきたというのに、こんな事になってしまうなんて…。
愛しい人に会う事も、触れることも、できずに逝くなんて。
―――――影、私の最後のお願いよ。
彼に伝えて欲しいの。
愛していたって…。