第13章 【影】
影side
* * * *
「ひっ、ぁ…、ジャーファルっ、ん…」
「シェリル…愛してます」
『ワタシ』の顔を、両手で挟んで深くて熱いキスをする。
頭がオカシくなりそうになりながらも、しっかりと意識を保った。
舌を引っ込めると、さらに絡められて、ジャーファルの思い通り。
(…苦し…ぃ)
「…キスだけでヘタってしまう所は、相変わらずですね」
「はっ、ふぁ…はぁ、はぁ、…ひゃぁっ」
まだ、始めたばかりですよ…?
そう言って、カフィーヤを床に投げ捨てて、官服を脱ぎ出す。
普段、陽の光を浴びずにいるせいか、白い肌。
病弱に見えていた外見とは違い、男らしい体格に、かぁ…っ、と頬を染める。
「そんな顔されたら、我慢できませんよ」
「ジャーファル…んぅ…っ、…ゃだ…、ひぁっ」
ワタシの股に指を滑らせて、反応を楽しんでいる。
乱暴で、優しくて、愛してくれる、手…指先。
(シェリルが好きになったのも…、わ、かる…っ)
影であるワタシには、人間のように性別がない。
だから、男女はどちらも分かる気でいた。
けれど、彼に愛されて、初めて感じてしまった。
女としての、快楽。