第6章 マジっすか…。
黒子の視線誘導のおかげで攻撃のバリエーションが増え、誠凛の追い上げに拍車がかかる。
第2・3Q丸々20分引っ込んでいたから、元の影の薄さに戻っているのだ。
気づけばもう、80対82。
そして、
シュッ
日向先輩がシュートを決め、82対82。
海常「同点だぁー⁉」
海常「誠凛、ついに追いついた‼」
ピリッ
え、急に場の空気が…⁉
ドキュ
さっきまでとは全然違う空気を纏った黄瀬君が、黒子を軽々と抜かした。
私は素早く彼の前で構える。
第1Qで火神とやったように、抜かされた黒子がバックチップでボールを奪う作戦であったが、それもかわされてしまった。
真琴「え…⁉」
黒子のバックチップを避けられてしまったことに、私を含めた誠凛メンバーは驚きを隠せない。
黄瀬君はそんな一瞬を逃さず、私の横をすり抜け、そのままダンクシュートを決めてしまった。
黄瀬「オレは負けねぇスよ。
黒子っちにも、アンタにも。」
真琴「くそっ…。」
第4Qで同点という窮地に立たされて、更に強くなっていく黄瀬君。
黒子のあの攻撃ももうダメだろう。
負けたくない…。
もっと、もっと速く…。