第1章 洗濯日和
烏野高校に進学したのはもう二年前のこと。
ついでに男子バレー部のマネージャーになったのも二年前。
何処で聞き付けたのか、帰宅部コースまっしぐらだった私が、元は強豪・北川第一中学校男子バレー部のマネージャーだったことを知ったらしい。
同じマネージャーの清水潔子や、現主将の澤村大地に説得され、押しきられる形で始めたマネージャー。
最初こそ渋々だったけれど、元より動いているのが好きで、バレーはもっと好き。そして、やるからには徹底する質だ。
ここ二年間、全力でマネージャー業に取り組み、充実した毎日を送っている。
きっとバレー部のマネージャーにならなければ、毎日をただ惰性で過ごすだけの凄くつまらない高校生活になっていたに違いない。
高校進学を期にバレーから離れようと思っていた私は、無理にでもバレーに連れ戻してくれた彼らに感謝していた。
特に今年度は入部三年目にして、最高にワクワクしていた。今、男子バレー部は追い風に吹かれ、ノリに乗っていた。チームが急速に成長しているのがわかる。
――何かが変わる。
確信めいた予感に、胸の鼓動が早鐘を打っていた。
私だけじゃなく、きっと澤村も菅原も潔子も。
一時は離れていた東峰だって戻ってきた。
その『追い風』の正体は、今年の新入部員たち。
個性豊かでまだまだ未熟な所だらけ。でも圧倒的なポテンシャルと、成長すればどれだけ強くなるのか予想も付かない、無限の可能性を秘めている期待のルーキーだ。
かつては全国の舞台へ立った烏野高校。けれど、ここ数年は弱くもないけど強くもない『落ちた強豪、飛べない烏』なんて不名誉な言われ方をしたりもした。
でも、今年は違う。