第1章 洗濯日和
カラッと晴れた青空の下、籠に放り込んだゼッケンの内一枚を取り出す。
パンっと勢いよく皺を伸ばせば、洗い立ての洗剤の香りが鼻腔をくすぐった。
うむ、良い洗濯日和。
すぐ側の体育館からはバレーシューズのスキール音やボールを打つ小気味良い音が聞こえてくる。
風通しを良くするために開け放たれた扉からは、元気よく跳ねるオレンジ色の髪とオレンジ色をぶっ叩く黒髪が見えた。
……相変わらずだなぁ。
賑やかな新入部員たちのやり取りを、微笑ましく眺める。
あ、澤村が来た。怒られてる。
我らがキャプテンの怒鳴り声をBGMに、私は鼻歌混じりに残りの洗濯物の山に取りかかった。