第1章 洗濯日和
――多分、仕方がなかった。
性格はともかく、見た目と外面だけはハイレベル。
それを自覚していて最大限に活用していた、自信家で目立ちたがり屋。
きゃあきゃあと黄色い歓声を受けて満更でもなさそうに手を振り返す。
言ったことはないけれど、それに何とも思わないわけじゃなかった。
意地だった。嫉妬なんてしおらしいところを、絶対に見せたくなかったから。
段々とずれていくのを感じながら、敢えて気付かない振りをして。
気付いた時には、もう手遅れ。
元に戻るには、開いた溝はあまりにも広く深かった。
だから私は、
「……徹、ごめん。もう別れて」