【Free! 】僕らの大好きなあの人は海のような人でした。
第2章 1Fr!『舞い戻ったblue』
「___っ!!…………わ、悪い………ちょっと……頭がついていかない……」
「…ハル……。俺も……俺もそうだよ。もしかしたら……また会えるんじゃないかって…ううん。会いたいんだ。………どうしようもなく。」
「………うん。俺も………会いたい。何がなんでも。」
TVの中では相変わらずの笑顔で女子アナウンサーと話す夏樹。
真琴と遙は、机に寄りかかりながら夏樹の一挙一動を見つめる。
『………ところで、藤崎さんは、アメリカに滞在中にモデルのお仕事をされていたとのことですが、日本でも続けられるのですか?』
『やぁ~~~参ったな………それ、どこで知りました?恥ずかしいんで内緒にしてたんですけど………でも、まぁ日本ではやるつもりありませんよ。あくまで向こうでやってたのもアルバイトとして数回程度ですしね。』
「………モデル………さすがだな。」
「うん。夏兄なら様になるもんねぇ。」
『私個人として是非日本でも活躍していただきたいですが……!………あ、すみません、大事なことを聞き忘れていました。ずばりっ藤崎さんっ恋人はいらっしゃいますか?!』
"恋人"という言葉にビクリと反応する二人。
この後夏樹が発するであろう言葉が、聞きたいような聞きたくないようなそんな狭間で二人は揺れていた。
『あははっずばりってwww…いないですよ?フリーですから。』
その瞬間、目を輝かせた二人は、口許に笑みを浮かべると、ふぅ、と小さく息を吐いた。
「………フリー……」
「ふふっ………やっぱ、ハルはそこに引っ掛かったよね。」
「………うるさい。真琴。」
「クスクス………はいはい。」