• テキストサイズ

【Free! 】僕らの大好きなあの人は海のような人でした。

第2章 1Fr!『舞い戻ったblue』


もしかしたら、また自分達の元に夏樹が帰ってくるかもしれない___



どうしても抱いてしまう淡い期待。



それほどまでに、俺たちはあの人を求め、渇望してる。




ふと、遙のことが頭に過り、今、こうしてTVに夏樹が映っていることを知っているのかと。
否、普段からあまりTVを見ない遙が見ているはずがない。



真琴は携帯を手にしたまま、玄関へと向かう。



「渚、このこと、ハルには連絡した?」


「もちろんっ!………って言っても、何コールならしても出なかったけどねぇ;」



「くすっそうだよねぇ。………俺、今からハルのとこ行ってくるよ。」



「うんっ!そうしてあげてっ!きっとハルちゃんも(人2)見たいと思うから♪」



「うん。じゃ、切るね?また明日ね。」


「はーい!おやすみぃ~」



玄関の扉を開け、外に飛び出す。
家のすぐ隣にある階段をかけ上がるとすぐに見えてくる遙の家。



インターホンを鳴らすと、至極面倒臭そうに登場したこの家の家主こと、七瀬遙は、真琴の顔を見て不思議そうな表情を浮かべていた。



「いきなりごめん!でも、ちょっと急いでて…!お邪魔しますっ!」



家主の表情に答えることなく、ずかずかと家に上がり込んでいく真琴に、遙は疑問を深めいく。
仕方なしにその後ろ姿を追い、リビングへと向かうと、信じられない光景が目に入り、遙は呆然と立ち尽くしてしまった。



「…………………………………………夏兄…………?」



TVの中で遙が大好きなあの屈託のない笑顔を見せる夏樹。
会いたくて、会いたくて、夢で会えただけでも嬉しくて堪らないくらい大好きな人。



「うん………夏兄、日本に帰って来てるみたいなんだ。」



困ったような笑顔を向ける真琴に、気がついたら遙はその両肩を掴み迫っていた。



「帰ってきてるって………!どこっ!?どこにいるんだよ!?なぁっ!真琴っ!!!」



凄い勢いで肩を揺らす遙は気が動転しており、いつもの遙とは似ても似つかないほど凄みを増していた。
あまりの掴む力の強さに眉を潜めると、それに気付いた遙がハッとし、手を離した。


/ 62ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp