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【Free! 】僕らの大好きなあの人は海のような人でした。

第2章 1Fr!『舞い戻ったblue』


柔らかな笑みを見せて楽しそうに話す彼は、とても綺麗で、真琴は目を奪われ、心は鷲掴みにされたような感覚を覚えていた。






気がつくと真琴の手はTV画面へと伸ばされ、夏樹の顔に触れる。



しかし、そこに求めた熱はなく、無機物の固さしか伝わってこなかった。



♪~♪~♪~



携帯が鳴り、手に取るとディスプレイには『葉月 渚』の文字。




「もしもし?渚?どうし____」
「マコちゃーーーんっ!!!!TVっ!TV見た!?!?」



受話器から聞こえる渚の大声に真琴は耳から携帯を離すと、苦笑いをしてしまう。



「見てるよ。………夏兄でしょ?」



「そうっ!!なっちゃんだよっ!なっちゃんっ!!もぉ~~~~超~~~~格好良くなってるよねぇ!!!何あれ、もう、妖精か何かなんだよっきっと!!」



「ははっ妖精って……。まぁ確かに凄い綺麗な人だけどねぇ夏兄は。」



今もTVの中では優しく微笑む彼がいて。
見る度に真琴の心はざわめいてしまい、落ち着かない。

電話をしてくるぐらいなんだから、きっと渚もいてもたってもいられなかったのだろう。
彼も自分と同じように夏樹を求めている1人なのだから。



「でもでもっ!!凄いよねぇ!!なっちゃんっフリーダイビングで世界3位だって!!やっばり、僕らのなっちゃんは最強だねぇ♪」


「うん、本当だね。やっぱり、夏兄は凄いよ。………それに、あのクジラの話。なんか、夏兄らしいなって思った。」


「あっそれ、僕も思ったー!だって想像できるもんねっなっちゃんとクジラが並んで泳いでるの_____あっ!!!僕、凄っいこと気づいちゃったよ………!!!」



突然、何かに気づいたらしく大声を出す渚に、真琴は眉を潜めて、次を促す。



「えっ何?どうしたの?」



「これっ!!画面の左上!!"都内某スタジオ"って書いてある!ってことはだよ!?…なっちゃんは日本に帰ってきてるってことだよね!!!」





「_____っ!!」






あの人が……… 夏兄が…………






_____帰ってきてる?
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