【Free! 】僕らの大好きなあの人は海のような人でした。
第6章 5Fr!『熱くなるFeelings』
___ザバァッ
ゴールへとたどり着いた夏樹は立ち上がると着けていたゴーグルを勢いよく外し、水を切るべく頭を振ると、舞い上がった水飛沫がキラキラと輝いていて。
「う…ぁ………///」
水気を帯た髪を掻き上げる仕草に、ドキリと跳ねる真琴達の心臓。
夏樹の一つ一つの動きが、全て優美で。
囚われた視線は逸らすことすら許されない。
(…………夏兄が……色っぽい///)
遙は自分の心臓の音を煩く感じ、胸の辺りを掌で抑える。
そして、遙の隣に立つ真琴と渚も、その頬を赤に染めながら熱を帯た視線を夏樹に向けていた。
ハッとした真琴がその足を夏樹のいるコースへと向け歩き出すものの、プールの反対側にいた凛によって、先に手を伸ばされてしまう。
「__夏兄。……やっぱりアンタは凄ぇわっ」
「そうか?競泳は久々だったから体がうまく動かなかったよ。」
しっかりと繋がれた二人の手。
真琴は、そこに凛と夏樹二人だけの世界があるように感じ、表情を曇らせる。
(夏兄………)
____様々な思いが錯綜する中、数秒遅れてゴールへたどり着いた御子柴が、目を爛々とさせながら夏樹に迫り、それを凛が止めに入る騒ぎになった。
「あはは☆なっちゃんは相変わらずモッテモテだよねぇ~。………どうせ、怜ちゃんも惚れちゃったんでしょ?」
笑顔のまま探るような視線を向けてくる渚に、ムッとした表情を見せる怜だったが、その顔は見事耳まで赤かったのは、言うまでもないこと。