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【Free! 】僕らの大好きなあの人は海のような人でした。

第6章 5Fr!『熱くなるFeelings』



気がつくと長い時間潜水したままでいる夏樹を見つめながら息をすることすら忘れていた怜は、目をキラキラと輝かせながら夏樹が水面へと上がってくるのを心待にしていた。


「___あ、」






コースの半分を過ぎた辺りでようやく上がってきた体が力強くストロークをすると、ぐん、と目に見えてスピードが加速されたことに気づく。

先にストロークを始めていた御子柴につけられていた差はみるみる埋まり、折り返した頃には体1つ分以上の差を開き、あと少しでゴールにたどり着くというところだった。






「____すげぇ……夏兄のフリー、めちゃくちゃ速ぇ………!!」





目を爛々と輝かせ夏樹の泳ぐ姿を見つめていた真琴達と、反対側のプールサイドにいた凛が言葉を漏らす。





「___あれ?そういえば、夏兄一度も息継ぎしていないんじゃ………」




水の中を 誰よりも早く泳ぐ夏樹を見つめていた真琴が信じられないという表情で呟いた言葉にハッとする一同。




「なっ……100mで一度も!?そっ……そんなことって可能なんですか!?」



「そんなわけないじゃんっ!!ぎりぎりまで我慢できても100mなんて無理だよぉ!!」




目を見開き驚きを露にする怜に、隣にいた渚がブンブンと首を振り、否定を示す。






「…………凄いな……。さすが、夏兄。フリーダイビングの記録保持者は違う。」






遙の言葉に、少し緊張した面持ちで頷いた真琴は、夏樹の昔と変わらぬ綺麗な泳ぎと、昔よりも進化している様子に何故か胸が苦しくなった。






(………やっぱり夏兄の泳ぎは綺麗だな…………だけど………俺の知らない夏兄がいるようで…………寂しい。)

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