【Free! 】僕らの大好きなあの人は海のような人でした。
第6章 5Fr!『熱くなるFeelings』
「___あ、はいっ今行きますっ!」
聞こえてきた御子柴の声に返事を返していた夏樹が、自分の両脇にひっつく遙と渚に柔らかな笑顔を向け、行ってきます、と呟くと、2人はそれぞれの頬をほんのりと染めながら、名残惜しそうにそっと夏樹の体から自らの体を離した。飛び込み台へと歩いていく後ろ姿を見つめながら、真琴たち4人の胸を熱くさせていく。
「…夏兄が泳ぐ見るの何年ぶりだろう……」
「う~~っ……早く見たいよぅ!怜ちゃんっなっちゃんの泳ぎってすんごーく綺麗なんだよ!ハルちゃんのと同じくらいねっ!」
「……いや、俺より夏兄のほうが綺麗だ。」
真琴達の言葉を聞きながら、期待からかゴクリなった怜の喉
飛び込み台に上がり、スタートの合図を待つ夏樹の姿に見惚れる一同は、今か今かとその時を待っている。
「___いよいよ、夏兄が泳ぐんだね………!」
「うんうん♪なっちゃんが泳ぐの見るのすんごーく久しぶりだしっ!!」
中でも江については、夏樹の隆々とした筋肉に目を奪われ感嘆の息を漏らすほどで。
「はぁ~~vV夏樹さんの上腕二頭筋……それに広背筋も三角筋も外腹斜筋までっ!!どれも美しすぎますぅvVvV」
「___えぇ!?注目するとこ、そこっ!?」
思わず突っ込みをいれてしまう律儀な真琴の姿に、隣に立っていた怜がクスリと笑う。
そんな最中に聞こえてきた号令に、びくりと反応する遙たち。
「位置についてーーー
よーい。
………ピーーーッ!!」
笛の音とともに飛び込み台を蹴り、飛んでいく姿は、とても力強く綺麗で。
その場にいた遙達と、プールの反対側にいた凛は目線を逸らせぬままただ、呆然と見惚れしまう。
最小限の飛沫を上げ、入水していく様子は無駄が一切なく、ただただ美しかった。
「…………うわぁ………綺麗な飛び込み……」
ぽつりと呟かれた真琴の言葉に頷く一同。