【Free! 】僕らの大好きなあの人は海のような人でした。
第5章 4Fr!『戸惑いのheartbeat』
御子柴より部で余っている水着を貸してもらえることになった夏樹は、凛に連れられ更衣室へとたどり着いた。
「……悪いな、凛。お前の練習の邪魔しちゃってるな、俺。」
「………いや、俺がしたくてしてるだけだ……夏兄は気にすんな。…………これでいいか?」
そう言いながら燐が渡してきた膝丈の競泳水着と
タオルを受け取りながら夏樹は笑顔で頷く。
「おー。何でも大丈夫!マジでサンキュ。」
服を脱ぎながら機嫌良さげに着替え始めた夏樹の姿を近くの壁に寄りかかりながら見つめていた凛は、自分の心臓が壊れるのではないかと思うほど激しく拍動していることに気づき、少なからず動揺してしまう。
(夏兄………///……相変わらず、綺麗な身体してんな……///)
ふいに思い出された熱の記憶に、頬が、全身が熱くなるのを感じ、凛は恥ずかしさから俯きながら自分を抱き締めるように腕を組んだ。
(やべ………///何で今……思い出すんだよ…///!)
「…………そうだ。凛。」
名前を呼ばれハッとし、顔を上げた凛。
「_____っ///!?」
突然、目の前に現れた夏樹。
その腕に挟まれるように立っている自分。
少し見上げた位置にある整った綺麗な顔は、目を細めて柔なか笑顔を見せていて。