【Free! 】僕らの大好きなあの人は海のような人でした。
第5章 4Fr!『戸惑いのheartbeat』
フフッと笑いかけるとムッとした表情を見せながらも遙は受け取った携帯を耳に当てる。
「夏兄………本当にいいのか?」
『お、遙かー。良いに決まってんじゃん。お前らのお願い聞くの俺の趣味みたいなもんだし。………それに、俺も会いたいしね。燐と………遙たちにもね?』
ついさっきまで冷えきっていた心が夏樹の声を聞くだけでこんなにも暖かくなっていく。
____でも
足りない。
一度貴方の熱を知ってしまったから。
声だけじゃ、足りないよ。
「……………………逢いたい。」
ポツリと吐き出された言葉。
隣にいた真琴たちがハッとした表情になる。
きっと彼らも同じ思いを抱いてる。
『…………ん。俺も、逢いたい。………飛ばして行くから…待っててくれるか?』
きっと自分は困らせてることを言っているはずなのに、そんなことを気にする様子もない夏樹にほっとする遙。
「………待ってる。俺も、みんなも。」