【Free! 】僕らの大好きなあの人は海のような人でした。
第5章 4Fr!『戸惑いのheartbeat』
「ねえねぇ!凛ちゃんのとこ行くよってなっちゃんに連絡してみよーよ♪鮫柄行くの丁度明後日だし、もしかしたら一緒に来てくれるかもしれないよ?」
渚の提案に遙と真琴と江の瞳が輝き、3人人揃って大きく頷いた。
「いいねっ!きっと夏兄も凛に会いたいと思うよ。」
「早くかけろ。真琴。」
「きっとお兄ちゃんも夏樹さんに会いたいはずです!」
早速携帯を取り出す真琴。
その横でウズウズと落ち着きなくその様子を見つめる渚と遙。
そして一人残されてしまった怜は、何やら嬉しそうに誰かに電話をしている4人を呆気に取られた顔で見つめていた。
prrrr____『__はい。』
呼び出し音が止まり、聞こえてきた大好きな夏樹の声。
その声が聞こえただけで遙たち4人の心は踊る。
「あっ夏兄?真琴だけど………今少し話せる?」
『ん。平気。どしたー?』
「実はね、明後日の金曜日に凛のいる鮫柄学園高校と合同練習することになってね。」
『おー!凛かぁ。あいつこっち戻ってたんだな。』
「うん、最近戻ってきたんだ。……それでね、もし夏兄の時間が合えばなんだけど、一緒に鮫柄に行かない?多分、時間は17時頃だと思うんだけど……」
『あー……17時か……。車飛ばせば間に合うかな?……うん。じゃあ久々に凛の顔でも拝みに行くよ。』
「!!!……じゃあ夏兄来てくれ_「本当にぃ!?やったぁ~~☆なっちゃん大好きっ!」……あー……えっと、じゃあ、後で詳細メールするね?」
受話口の向こうでクスクスと笑っている声が聞こえ、真琴はその姿が容易く想像でき、顔を綻ばせた。
『………ハハッそんなに喜んでくれるなら行く甲斐があるね。明後日が楽しみだ。』
真琴がふと隣を見ると"自分も話したい"とじっと見つめてくる遙の瞳とぶつかって。
「………はい、ハルも話すでしょ?」
そう声をかけるとキラキラと光出す瞳。
携帯を差し出すと遠慮がちに伸びてくる手。
「………いいのか!?」
「もちろん。だってハルの顔にそう書いてあるしね?」