【Free! 】僕らの大好きなあの人は海のような人でした。
第4章 3Fr!『止められないimpulse』
「えっやっ俺は___」
「いいから来いよ?」
伸ばされた手。
その手を無意識に掴むと
引き寄せられ、倒れこむ体。
(わっ・・・!倒れるっ___!?)
「___っ///!!」
来るはずの衝撃はなく、代わりに感じた逞しい体は真琴を守るように強く抱きしめてくれて。
ふわりと香る大好きな人の匂いに胸がドキリと跳ねる。
「・・・ほら、気持ちいいだろ?」
すぐ近くで聞こえる夏樹の甘く低い声。
騒がしく音を立てる心臓は、きっと夏樹にも伝わってしまっているだろう。
恥ずかしくて顔を俯かせると後頭部を撫でる優しい手。
「・・・うん///」
夏樹の熱を感じていたくて、真琴はそっと目を瞑る。
「・・・俺も混ぜろ。」
遙の声が聞こえたと思ったら、夏樹の体ごしに伝わる衝撃があって、ああハルも抱きついたんだな、って分かった。
「ははっお前ら本当、可愛いな。」
夏樹を中心に両脇に寝転ぶ真琴と遙は、少しでも彼に触れようと自らの体をぴったりと寄せる。
「・・・暖かい。」
「何か夏兄の体温って・・・すごく落ち着くね。」
「そうか?ならいつでも近くに来いよ。・・・真琴も。・・・・・・つか、この状況で一番暖かいのは俺だな!両手に”華”だしねw」
楽しげに微笑む夏樹の姿。
「・・・好きだなぁ・・・。」
無意識に漏れでてしまった言葉。
ハッと気づいたときには既に遅く、その言葉は隣に寝転ぶ夏樹に届いていて
「やっい、今のは、その・・・何というか・・・///」
しどろもどろになる真琴の頭を夏樹の腕が自分の方へと導く。
チュ
額に触れる柔らかな熱。
「・・・ん。俺も好き。」
目の前には優しい笑顔で自分を見つめる大好きな彼。
真琴は体の内側から溢れてくる愛しさに思わず震える。
「・・・好き、・・・夏兄・・・好き、大好き。」