【Free! 】僕らの大好きなあの人は海のような人でした。
第3章 2Fr!『慈しみのdistance』
「おっ、俺が、夏兄の、おっおっお嫁さんんんん///!?!?なっなっなっ何言ってんの////!?そっそんなことっ俺が決めることじゃ___」
「あら、嫌なの?」
「嫌なわけないじゃんっ!!!………あっ////や、その………////」
見事に耳まで赤くなった真琴は、勢いで自分の口から出た言葉に黙りこみ俯いてしまう。
「えーーーっ!!お兄ちゃんにズルいっ!蘭が夏樹くんのお嫁さんになるのー!」
「やだっやだっ!僕もなるもんっ!!」
真琴の様子に眉尻を下げ微笑んでいた夏樹は、すっと立ち上がると真琴に手を伸ばし、その目を真っ直ぐに見つめる。
"おいで"
真琴は目の前の手にそっと触れた。
すぐに強く掴まれ、引き寄せられる。
たどり着いた大好きな彼の懐。
目を合わすと微笑む夏樹。
「俺が、責任をもってこいつらを幸せにしますよ。………それに、遙もね?」
「「____っ///!?」」
夏樹の言葉に激しく鼓動を打つ心臓と、首まで赤く染まった遙と真琴の顔。
「ま!さすが、夏樹くん!男前ね~♡うちの子達とハルちゃんをよろしくね?」
「はい、お義母さん、……なんてね?」
真琴母と夏樹はこっちの気持ちなどお構いなしにふざけたやり取りをしていた。
それどころではない二人の頭の中には、夏樹の言葉がリフレインし、嬉しい気持ちが遅れて、大津波のように押し寄せてきた。
「~~~~~うぁ////」
「………………////」
溢れ出す夏樹への気持ちを、どうしていいか分からず、そわそわと落ち着きをなくす二人。
それに気づいた夏樹は、クスッと小さく笑みをこぼすと、足元にしがみついている蘭と蓮の頭を撫でた。