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【Free! 】僕らの大好きなあの人は海のような人でした。

第3章 2Fr!『慈しみのdistance』


その横にはぴったりとくっつく遙。
少しの隙間も作りたくないのかまさにべったりな様子で、思わず真琴は笑ってしまった。





?「皆さーんっ差し入れで_____っへっ!?夏樹さ、ん………!?」




声とともに入り口に現れた赤い髪の女の子、松岡江。

彼女は持っていたコンビニの袋らしきものを落としたことにも気づかないまま、こちらを見て固まっていた。




夢か幻でも見ているのでは?と思うほど、大層驚いた顔で。





「ん………?あー?もしかして、お前…………江(こう)か?」




ハッと意識を戻した江は、夏樹が"こう"と発音したことに目を輝かせた、プールの方へと駆け寄り、夏樹か作業している排水溝の近くのプールサイドまでたどり着く。




「はいっ!!!"こう"ですっ………夏樹さんっ///」




目の前で目をキラキラとさせ夏樹を見つめる江に遙は目を細めた。


そして気づく、その目が自分達と同じ熱を秘めていることに____




「江ちゃんっお疲れ様~!凄いでしょ?本物のなっちゃんだよ?」



「あ?本物のってなんだよ。偽物もいんのかって!俺と同じ顔の奴がもう一人とか、ないわー……キモっ!」




((((いや!ありだ。絶対!!!そして、断じてキモくない!!!))))




水面下での一致団結は夏樹には届かなかったが、4人の脳内で二人の夏樹に挟まれ甘やかされる自分を想像してしまったのは仕方のないことだった。




((((やはり、ありだ!!!!))))




再びの一致団結。

部外者となった夏樹は、呑気に掃除を続けている。







不思議な空気が流れる中、プールに響く女の人の声。




「皆お疲れ様~~!結構進んだんじゃない?…………って!?な、な、な、藤崎夏樹っ////!?!?」




天方先生こと、あまちゃんは水泳部の顧問だ。
いつものように遅れて様子を見に来たら見慣れぬ顔____否、昨日TVでみた超絶イケメン(どストライク!)がプールの中に居たのだ。





「………えっと………はい、藤崎です。」


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