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Destination Beside Precious

第5章 3.Kiss? or More?


将来と言われてもまだピンと来ない汐と、明確な夢を持って日々努力する凛。
夢を追う人はとても素敵だと汐は思う。

「あたし応援するよ。凛くんの夢」
「ほんとか?」
「うん。できれば凛くんの夢、これからも凛くんの一番近くで応援していきたい、なあ」
「嬉しいこと言ってくれんじゃねーか」
ありがとな、と凛は笑った。
凛に握られた手が熱くなる。


(あー...)

凛の笑顔が眩しい。
夢を語る凛のまなざしはまっすぐで素敵だった。


(やっぱだいすき、だな...)

改めて思う。凛が好き。
世間一般で言う惚れ直したというところで、今の話でもっと凛のことが好きになった。


「汐?」
急に黙ってしまった汐を凛は覗き込んだ。
汐のローライドガーネットの瞳が淡く揺れる。

「凛くん、もう電気消して?」
「もう寝るか?」
うん、という返事を聞いて凛はベッドから出た。
照明を落とすと真っ暗になる、と思いきや開けられたカーテンからちょうど月の光が入ってきて薄暗いといった感じだった。
月の明るい夜半だった。

「月明るいな」
凛はベッドに戻って仰向けで寝転び月を眺めた。


「ね、凛くん」
「ん?」
身を起こした凛の首の後ろに手を回し、凛の耳元でこう囁く。

「さっきの話聞いてね、あたし凛くんのこともっと好きになった」
まっすぐに見つめた凛の瞳は、なにやら凛は動揺しているようにも見えた。

「凛くんだいすき」
「汐...っ」

凛から返事は言葉ではなくてキスだった。
唇を重ねながら凛は汐に覆いかぶさった。

「...んっ、...」
今まで凛としてきたキスの中で、1番濃いキス。
味わうように何度も、角度を変えて。ゆっくりと舌を絡めて。
凛が汐を求めるようにキスをするように、汐も凛を求めるように背中に手を回す。

長いキスに酸素を奪われ思考回路に霞みかかってきた頃、凛は唇を離した。
そして汐の喉にキスをした。

「ひゃ…っ…、ぅん...っ...」
くすぐったさに汐が身をよじらせると、今度は鎖骨にキスを降らせてきた。
鎖骨を伝い首筋を強く吸われる。
そこで凛は身を起こした。

「大好きだ、俺も」
そっと汐の隣に横になった。
そして腕を差し出すと汐の頭を撫でた。

「腕枕してやる。ほら、もっと寄れよ」
凛の腕にそっと頭を乗せた。
そして凛は汐の額に優しくキスをして呟いた。

「汐、おやすみ」
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