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Destination Beside Precious

第14章 11.Boys and Girls


「すごい…!可愛い!凛くんありがとう!!」
「おう。喜んでくれてよかった」
凛からのもうひとつのプレゼントはネックレス。

K10ホワイトゴールド、しずくモチーフのペンダントトップにダイヤモンドとアクアマリンが清楚な輝きを魅せる。

「大切にするね…!」
宝物のように小箱を抱きしめる汐。
ここまで喜んでもらえると、多少値が張っても贈ってよかったと思う。
クリスマスにバーバリーチェックのマフラーを贈った時も同じことを思った。
やはりこの笑顔は何にも変えられない。


「ねえ、これなんて書いてあるの?」
汐は花束に添えられていたカードメッセージについて訊いた。
さすがは凛。全文英語で書いてある。

「それ?…訳してみろ」
「えー…?」

〝Dear Shio
Happy Birthday!
Thank you for coming to the world.
I have never been loved like this before.
I love you more than words can say.
From Rin〟

「…わかるような…わからないような…」
しばらく考えていた汐だが、お手上げなようで困ったように凛を見つめた。

「…1回しか言わねぇからよく聴いてろよ?」
「うん」

「〝汐へ。誕生日おめでとう!生まれてきてくれてありがとう。俺の人生の中でこんなに誰かを愛したことは無い。言葉では言い表せないくらい汐を愛してる。凛〟」

自分で書いておいて照れるなんておかしな話だが、やはり言葉にすると恥ずかしい。だから手紙にしたのだが結局口にすることになった。
汐の顔が直視できなくて横目で見ると、目が合った。
その瞬間、幸せな笑みを見せて汐は凛に抱きつきキスをした。

「そんなこと書いてたの!もう!嬉しいありがとう…っ!凛くん好き!大好き!!」

離さない、と言いたげに抱きつく汐の頭を撫でる。

「ねえ凛くん、今日はどこから来たの?今日あたしひとりなの。凛くんさえ良ければ今夜はずっと一緒にいたい…」
「実家から来た。泊まってくと明日の朝一旦実家に帰るために早起きになるが、いいか?」
「いいよ!」
なら、決まりだな。と凛は汐にキスをする。
唇を離し、見つめ合う。今度は汐からより濃いキス。

誕生日の夜は、濃厚な蜂蜜よりも甘く幸せに満ち溢れたものになった。
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