Destination Beside Precious
第13章 10-2.Don't Leave One Alone Ⅱ※
「しお…汐。大丈夫か…?」
「ん…、凛くん…」
達してからしばらく休んでいたところへ、凛が汐に声をかけた。
甘ったるい気だるさと共に凛の首に腕を回すと唇を求める。
ちゅ、と溶けるようなキスを凛はくれた。
「さっき、ほんとにつけてた?」
「つけてたって」
ほら、と言われて枕元に目をやるとなにやらコンタクトの個装パックのようなプラスチックの容器。
いつもは正方形のビニールパックのようなものだったから、新しいものを求めたのだろう。
「ほんとだ。…でも、つけてないみたいにあったかかった」
繋がった凛の熱に驚いた。
無我夢中で頭が覚えていなくても、身体が覚えている。
凛曰く、普段よりも薄い素材の避妊具だったそうだ。
ふたりにとって満ち足りた夜にしたかったから、やや割高でも思い切って購入したのだと少しはにかみながら凛は話してくれた。
「どうだった?」
向き合って抱き締めながら凛は訊いた。
それに対して少し照れながら小声で答える。
「すっごく気持ちよかった。幸せ。好き」
「俺も好き」
想いを通わせ合って、また唇を重ねる。
素肌の温もりが心地よくて、するりと脚を凛の身体にまとわりつかせる。
「ん…っ」
白い肌につけられた紅い痕に凛の唇が触れると、甘い声が洩れた。
「汐。お前、雌の貌になってる」
とろんとした瞳を見つめる凛は雄の貌だった。
引き締まった臀部から背中にかけてゆるく撫で上げる。
ふたりの象徴が向かい合う体勢。凛の雄がまた目を覚まし始める。
「お前、わかってんのか…?」
婉曲的であり直接的でもある問い。
互いの心臓が再び高鳴り始める。
「1回しか言わないからよく聴いててね?」
頷いたのを確認すると、凛の耳に唇を寄せた。
「もういっかい、したい…」
先ほどの凛の熱を思い出すと身体が疼く。
あの激しい愛をもう一度身体に刻んでほしいと願う。
汐からそういったお願いをされるのは初めてで、全身の血液は否応なしに吐精したばかりのそこへ集まる。
「…こい」
横向きに寝そべっていた身体を仰向けにすると、汐が覆いかぶさるような体勢へ誘導する。
欲望の権化となった自分自身が汐の秘部に密着する。
互いの欲を擦りつけあうと、蜜壷から新たに愛液が溢れ始める。
深いキスをしながら聞くヌチヌチとした水音はひどく淫らだ。
はやくまた繋がりたいと、思ってしまう。