Destination Beside Precious
第9章 7.Life and non-Life ※
そこから聞こえるのは、ずちゅっずちゅっと耳に残る音。
ひどくいやらしいことをしている気分になる。
「汐」
こい、と凛は汐の腰を支えて上体を起こすよう促した。
繋がったまま向かい合い、そのまま筋肉質な広い背中にしがみつく。
これ以上になく密着した状態でまた抽送が始まる。
「あっ…!あぁ…っ、んんっ!あ…っ」
突き上げられる感覚がよくわかる。肩から顔を離すと瞳同士がぶつかる。
獰猛さの中に温かさが宿る赤に魅せられて、自ずから唇をねだる。
唇が割られて口の中いっぱいに凛を感じる。
貪るようなキスの合間にも凛は動くことを止めない。
敏感な花芯が凛の丘と擦れて激しい快感に襲われる。
堪らず汐は唇を離して凛の肩に顔を押し付ける。背中にまわした手には無意識に力が入る。
凛は汐の肉洞を擦りながら花芯に触れた。
「やっ…!ああっーっ!だめっ…そこ…」
「ここ、気持ちいいのか…?」
ん?と、凛は意地悪そうな笑みを浮かべて花芯を撫でる。
手だけでなく全身に力が入る。洩れる喘ぎ声はどんどん大きくなる。
「ン…汐…っ締まる…っ、ぁ…」
耐え難い快感に襲われる汐だが、同じように凛も激しい快感の波に攫われそうになる。次第に腰を打ちつける速度が増す。
再び汐をシーツの上に押し倒すと、凛は汐を強く抱きしめながら覆い被さり更に腰を穿つ。
快感に酔う凛の表情が汐をさらに欲情させる。
「汐…好きだ…愛してる…」
掠れた声でうわ言のように愛を伝えられる。
それだけで汐は天にも召されるような快楽を覚える。
情熱的な口づけを繰り返し、更なる快感を求める。
部屋に響くのは、ふたりの体液が交ざるいやらしい音や熱い吐息、肌がぶつかる音。
「あ…っ!りんく…っ、すき…っ…!」
震える脚を凛の腰に絡める。
ふたりは最高の瞬間を迎えようとしていた。
眉を寄せ凛は更に律動を速める。
汐は意識が飛びそうな思いをした刹那、思い切り抱きしめられた。
その瞬間凛の動きが止まった。
ぞっとする程色づいた声を洩らすと、凛は己の欲をごく薄い膜の中に吐き出した。
果てた後しばらく汐を抱きしめていた凛は、自身を汐の中に留めたまま微笑みかけた。
「汐、すげえよかった…ありがとう。大好きだ」
そう言って凛は汐にキスをした。
「あたしも大好き」
見つめ合い同じタイミングで桜の蕾が綻ぶように幸せな笑顔をふたりは浮かべた。