Destination Beside Precious
第9章 7.Life and non-Life ※
凛は上半身に纏う服の裾を掴み引き上げ身体から外すと、それを床に放る。
その後に脚を覆うものも脱ぎ捨てた。
汐の目の前には下着姿の凛が現れた。
端正な顔から視線を降ろすと、雄々しく隆起した喉や広い肩や筋肉質で厚い胸板、鍛え上げられ6つに割れた腹筋に目を奪われる。
惚れ惚れするほど美しく精悍な肉体だと汐は思う。
「あ…っ」
凛が膝をついたことによるベッドの撓りを聞いたと思うと、上半身を隠すオーバーサイズのスウェットはいとも容易く身体から取り去られてしまった。
その流れで膝を隠す長さのハーフパンツまで脱がされる。
まるで最初から下着しか身につけていなかったような気分になった。
繊細な刺繍の入ったペールトーンのブルーの下着が凛の眼前に露になる。
凛の手が汐の肩に触れた。そのまま上腕を滑り肘のあたりに添えられる。
もう片方の手は頬を撫でた。
再び深い口づけが始まる。
汐のふっくらと柔らかな唇に凛の形のいい整った唇が斜めに重ねられる。
唇が割られ舌が差し込まれると、ふたつの唇が絡まり合う。
ねっとりと、いやらしく音を立てながら唾液を行き来させる。
長いキスでも酸欠を知らない凛は汐を解放しようとはしない。
次第に酸素が足りなくなり汐の思考回路に霞がかかってきた頃に、そのまま上体を起こしているのもままならなくなり凛に組み敷かれる形になった。
逃げ場を失った汐の身体を責め立てるようにキスが続けられた。
このまま食べられてしまうのではないか、そんな錯覚さえ抱いてしまう。
凛の手が下着越しに汐の胸に触れた。
布越しにやわやわと円を描くように凛は触り心地を楽しんだ。
ブラジャーからこぼれそうな柔肉に唇を這わせると強く吸った。
布地に隠れる豊かな双丘を揉みしだかれているうちに、その先端がどんどん敏感になっていっているのがわかった。
凛に揉まれることによって、布とそれが擦れる度に汐は小さく甘い声を洩らしてしまう。
「や…ぁん……んんっ…ぁ…っ」
凛の唇が首筋へ這う。そして消えかかった証を強く吸い上げた。
〝また痕ついちゃう…〟首筋の痛みにそんなことを思ったのも束の間、凛の手が汐の背中へ回されブラジャーのホックを外された。
覆うものが無くなり、その姿が空気に曝される。
つん、と尖った先端は凛に舐めてもらうべくそのように形を変えた。
その先端を凛は爪で弾くように刺激する。