Destination Beside Precious
第8章 6.Dye Your White ※
「ちょっとなら、動いていいよ…」
「汐、お前、それは…無理するな」
眉を下げた凛に汐は首を横に振る。
「もう痛くないよ…?」
普通に会話できるくらい緊張は解れてきた。
覚悟していた破瓜の痛みも一瞬で、もう痛くない。
凛に気持ちよくなってもらいたい。
「痛かったら、言ってくれよ」
そう言って凛はゆるゆると腰を動かし始めた。
振動が伝わる度に汐の喉の奥から声が洩れる。
「んっ…ん…ぁっ…」
「やっぱりキツいな…」
目を開けると、恍惚とした顔の凛。
その唇から洩れる吐息はどこまでも色っぽく、見つめられただけで全身が粟立つ思いだった。
「凛くん…すき…っ」
「俺も。汐が好きだ」
重ねられた唇は熱い。割って入れられる舌は唇以上に熱い。
ゆっくりとナカを突かれながら、ねっとりとした官能的なキスを繰り返される。
舌はお互いを求めて口腔内で絡まり合う。
呼吸をするために唇を離しても、もっともっとと求めて止まず、また唇を重ねる。
「すげぇ気持ちいい…」
余裕がなさそうに眉を寄せて汐を見つめる凛。
初めて見る凛の感じている顔に汐は驚く。
〝男の顔〟をしていた。しっとり濡れる背中も、こめかみを伝う汗も、すべてが蠱惑的で呑み込まれてしまいそう。
「あっ…んんっ…あぁっ」
つながった部分から微かに淫らな水音が聞こえる。
ぴったりとくっつけられた凛の恥骨が花芯を刺激して嬌声が洩れる。
少しずつ凛のリズムが速くなってきた。
ぐちゅぐちゅと淫靡な音は次第に大きくなる。
「あっ…っ!あぁ…っあ…」
「汐…も…イキそ…あっ…」
凛が洩らす声もそれに合わせて大きくなる。
迫り来る射精感を堪えながら凛は汐を見つめた。
「イって…いい…っよ…あぁっ…!」
息絶え絶えに汐はそう伝えると凛はさらに律動を速めながら汐に覆いかぶさった。
そのまま汐を強く抱きしめながらキスを降らす。
「んっ…んんっ…!」
蕩けるようなキスと下腹部の快感で意識が遠のく思いを感じながら汐は凛の背にしがみつく。
お腹の奥がぐずぐずと気持ちいい。
それ以上に凛が自分とのセックスで感じてくれて嬉しい。
「ぅ…あ…あぁ…」
お互いの気持ちが最高まで昂ったその時、凛は律動をやめ喉の奥から押し殺したような声を洩らした。
思わず鳥肌が立つ程官能的な声だった。
荒い呼吸のまま、汐はそのままベッドに溶けてしまうような思いだった。