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Destination Beside Precious

第7章 5.Illuminate The Darkness



クリスマスの日の朝、凛は部活に行くべく支度をしていた。
カーテンを開けると外には控えめながら太陽が覗いていた。雲ひとつない快晴、とまではいかないが天気は悪くない。
昨夜の雪が積もっていてあたりは銀世界だった。

ふあ、と空気を食みながら少しだけ窓を開ける。きんと冷えた空気が凛の頬を撫でた。
朝食を摂ってなお重たかった瞼がすっきりする。


窓を閉めて汐からのメールに返事を送ろうと携帯を手に取りベッドに腰を下ろした。
と、ちょうどそのタイミングで凛の携帯が震えた。

「ん…?」
誰からだろう、そう思いながら携帯を操作する。
届いたメールの送り主を確認すると、そこには意外な人物が表示されていた。

「璃保から?」

珍しい相手からのメールに凛は少しだけ首を傾げる。
彼女の親友から、しかもクリスマスの日の朝に一体どんな用件だろうか。
凛はメールを開封した。

『件名:メリークリスマス
本文:クリスマスプレゼントよ。』

簡潔な文章に画像が添付されていた。
クリスマスプレゼント、なんのことだろうか。そんなことを考えながら添付してある画像を表示した。

「っ…!」
思わず吹き出してしまった。

「間抜けな顔しやがって…」

璃保から送られてきた画像は汐の写真だった。
おそらく不意を打たれて撮られたのだろう、なんとも気の抜けた顔をしている。
ある意味素の汐だった。

口元に笑みを浮かべながら璃保からのメールに返事を打つ。

『すげぇ間抜けな顔してんな』

送信ボタンを押した。続けて汐からのメールに返信する。

『件名:おはよー
本文:今日部活午前だったよね?
頑張ってね!』

相変わらず所々にデコメが入っていて可愛らしいメールだ。
女子だな、など思いながらカタカタと返信を打つ。


汐への返事を送信した後、再び璃保から送られてきた写真を開いた。
相変わらず気の抜けた顔をしている。
そのまま頬をむにっとしてやりたい、など思いながら写真を眺めていると、ふと凛はあることに気づいた。

「この服…」
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