第14章 その名を呼ぶ創始者
少年の上半身を右腕で支え、顔を上を向かせた。
そうしたことでやっと目を開けた少年は、正気に戻ったからか、夢から覚めたからか分からないが、酷く驚いた表情をした。
「…っ!すいませんっ。ありがとうございます…。」
「ああ、いいよ!無理に起き上がらなくても。」
少年は即座に俺に預けていた身体を動かし、俺と正面を向く体勢になった。
「…なんだ、あんた千歳じゃない。」
後ろで俺達のやりとりを見ていた、二つ結いの女の子(?)が言った。どうやらこの少年は千歳という名前で、千歳君を知っているらしい。
「あの、この子のこと知ってるんで…」
ジラリと光り、みさき達を照らすのは大きなテレビのような物だった。
そのモニターは音もなく、こうつづっていった。
『こんにちは、会員当選者の皆さん。私はlittle policeのありとあらゆるミッションを作り出している、いわゆる創始者(とか自分で言っちゃう)です。』
「創始者…?」
と、誰かが言った。
『嬉しいことに当選者の7人中、5人が同時に初回ミッションに挑んでくださいました。それが貴方達5人です。残り2人は、ミッションが配信されたにもかかわらずミッションを放棄したため大切な初回ミッションには参加できませんでした。ルールは今回のミッションのみ教えようと思います。よく覚えて下さい。』