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little police

第12章 感情ミートアゲイン


僕が朝食を食べ終わるまでに沢山の会話がリビングを包んだ。


琉架の、ちょっと遠出して買い物をした帰り際に路地裏からおじさんの悲鳴が聞こえた話。

時雨の、中学時代の陸上部の話。


中でも時雨のその話は最高だった。



ふとテレビの方を見てみると、あるゲームのCMが流れていた。


『四人に一人が遊んでます!爆発的人気のスマホ専用アプリ、little police!!ー…あなたの力で平和な世界を。』



アイドルがCMに出演し、宣伝していた。アイドルとlittle policeはきっと関係ないが、アイドルの売り出しにこのCMを使ったのだと思った。


「僕今のゲームやってるよ。今日から始めたんだ。」


「そうなの?私たちも昨日登録したんだよね。」


「うん、それはもうドハマり中!でも結構ムズいよな、アレ。蓮堂さんは進んでるんスか?」


時雨がスマホを取り出してそれを眺めながら、春に質問した。


「俺はまだ一つもクリアしてないな。勇希雄はどんなだ?って今朝登録したばかりなら、全然なんだろうけど。」


「そうだね、全然。というか、登録しただけ。全然触ってないよ。順番にしないとちょっといやなんだよね。」



するゲームは五十音順にクリアする。と決めてある僕は、そんなイレギュラーをむやみにプレーしたりしない。

するのが待ち遠しいが、順番を守らないなんて僕にはできない。悪しからず。


「何を順番にしないと嫌なんだ?」


「え?あー、あれ。スケジュール…とか。」



(やっべえ…!!ゲームしかしてないことバレる…!!いや、隠すほどの事でもないけどね?でも"一応"って言葉があるでしょ。使ってあげないと!)


「へえ…。が、学校以外に大事な用事があるから…、来ないのか?」


「い、いや。その、1日の段取りってのがね…あるわけですよ…!」


気付いたときには春がテーブルの正面に立っていた。
僕は目を逸らしながら、言い訳を発する。


「俺に隠す事ないだろ。何も言わない。怒りもしないし、殴りもしねぇ!!…何で、来ないんだよ。学校に…。」


(…やめてよ春。ここ、食卓なんだよ。君んちの。)



「あ゛ー!もう言ったって支障はねーよ!!うじうじすんな、このプテラヌドン!」


(プテラヌドン…!?)


突如割り込んできたのは隣で見ていた時雨だった。

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