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little police

第11章 再会イモーション


《現在 勇希雄と輝》


「何があったんだろう。春はどうして海恋を…」


「止めよう。


警察の人だって、きっと何があったか知らないと思うの。」

春がそう言ったのだろうか、海恋はともかく鳴未を殺した犯人は誰か分かっていない。
それが警察も、となるとこの事件は相当ヤバいのではないか。




「私ね?6月に春の家に行ったんだ。」



そうか。


輝ちゃんはいち早く話を聞きたかったよね。


(僕なんか…春に怒られるんじゃないかって…。)




「そしたらね、春何て言ったと思う?…勇希雄は元気なのか?…だって!





…ねえ、聞いてる?」



「聞いてるよ。」


「だからね、早く会いに行ってあげてよ。まだ一度も会ってないんでしょ?」



…誰から聞いたのだろうか。そんな事。まあ、春か琉架だよね、きっと。



「そうなんだよね。僕も結構忙しくて。」



頭をかきながら言うと輝は笑った。忙しいという嘘が通じたようだ。
本当は全く忙しくなんてないのだが。



(いや、でもゲームしてて忙しいっていうことにはなるか…。)



そんな事どうでもいい。
僕は今からその春に会いに行くのだ。



「じゃあその忙しいところ邪魔してごめんなさい。

この道、勇希雄くん会いに行く途中なんだよね?」



「え?何で分かったの!?今から朝飯もらいに行くんだよね。」



道だけで何の用事か分かるというのは凄いな、輝ちゃん。

でもそれと同時にすっげー迷惑だと思うのは僕だけだろうか。


(三年前はそんな特技持ってなかったような…。)


まあ、どうでもいいか。
話が逸れやすいな僕。



「朝飯ぃ!?ご飯まだなわけ!じゃあ早く行ってきなよ!!。」

うん。そうなんだよね。
タギ先生ともギクシャクした会話してきて空腹なんだよね。

「あぁ、うん。それじゃあね。」


「バイバーイ!!…あ、勇希雄くん!」


「何ー?」



別れて、少ししたら再び輝に呼び止められた。
振り返って答えると、彼女は口元に両手でメガホンを作り独特な事を言った。



「髪の毛長いと老けて見えるねー!!」


ああ、これだからきっと彼女に恋をしたことが無いのかもしれない。
無言で歩きだそうとするとまた、輝が喋った。


「学校来るときは切ってきてねー!」





でも最高にいい友達。

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