第11章 再会イモーション
「え、そうー??勇希雄くんって人褒めるの相変わらず上手だよね♪照れちゃうし!」
「いやいや!まじホントだって!!そんなにスタイル良かったっけ?って思ったし!」
「もう!冗談はヨシコさんだよ!!」
(3年前と変わらないな輝ちゃんは。)
しかし、実際かなり美人な輝ちゃん。
中学のころは普通に可愛い女の子だったけど、高3になった今は背も伸びてそこそこ長かった髪もショートカットにしている。
一気に女性になった。
背は165cmくらいあるだろうか。長いまつげに大きな瞳。
もんのすごい僕のタイプだけど、彼女に恋をしたことがないのが不思議だ。
「で、今からどっかに行く予定なの?制服ってことは、学校か。」
「そうだよ。休みの日だっていうのに、補習に行かされるなんて…。元運動部の知力もナメられたらもんだよね。」
「へー、何部だったの?バレー部とか?」
「ううん!!実はね、チア部だったんだー。」
「チア部!?マジで!?応援とかしてたんだ!」
「頑張ってる姿を応援するのが好きでねー。でも琴高って、ずば抜けて強いチームとか無いから、ほとんど練習ばっかりだよ。」
「そうなんだ。…あ、でもチア部に入りながら実際心から応援していたのは…!?」
「な…なんスか?(笑)」
あることを思い出した僕は輝に質問攻めをしてみる。
案の定、質問の意味に気付いている輝は恥ずかしがりながらも、白を切る。
「…その様子だと、まだ春のこと好きなんだ。」
「ちょちょちょちょっ!!言わないでよ!!」
両手で僕の顔をペチペチ叩いてくる。
恐らく輝の顔は真っ赤。
「いたっ!いた、痛い!痛いよ!!告白とかはしないの?…痛い!」
「ぅ、だって!春は…春はまだ…。」
「…あぁ、ごめん。」
叩くのをやめて、俯きだした輝。
今のは僕が悪い。考えたくないことを思い出させてしまったのだから。
「…どうして死んじゃったの…?鳴未も、海恋も…。」
「…それは…。」
「…い、生きててくれれば鳴未は春と付き合ってたかな…?2人とも…琴高、受かってたし…。」
「…悔しいね。5人一緒に居られないの。」
「う、うん。どこで間違えたのかなぁ…。」
その言葉に返答できす、僕は空を見上げた。
…―僕たち5人は、とても仲がよかった。