第6章 乙女色コントラスト
「は…、はぁ?え、これ占いじゃないの?」
明らかに動揺している私に、4人は笑うのを止めて頷く。
「全然、占いなんか関係ないよ。今すげー人気のアプリ。」
どういう事だ。全員これを知っていたのか?
だとしたら私は4人に…
「っ…信じらんない!!騙したのね!?」
「落ち着け一五!声がデカい!」
鬼の形相で怒りをぶつける私に、後藤田が必死に落ち着かせようとする。
そこに丁度頼んでいたお好み焼きの玉が運ばれてきた。
「お…お待たせいたしました…。以上で全部です…、失礼いたしました…!」
店員は素早く品を置いて走って逃げって行った。
流石に不良達が騒いでいたら、誰でも怖いだろう。
「あたしはゲームが大の苦手って知ってたのに…あんた達は…!」
今にも泣きそうな私に困っている4人。困るのはこっちの方だ。全員に騙されたのだから。
「悪かったって!騙してなんかねぇよ?」
「そうなんですよ!?一五さんにちょっと嘘ついただけで…(笑)」
「おい井上…!」
山野井と井上と明石は慰めるのが苦手らしい。あんな慰め方をされたらだんだん腹が立ってくる。
できないなら言うな!!
「なぁ一五、騙して悪かった。この通りだ。」
冷静に言葉を綴る後藤田に、皆一気に静かになった。
「でも、持っているだけで必ずやらなくてはダメってわけじゃないだろ?本当にやりたくないならそのままほっとけばいいし、まぁこの機会に出来るようになっても良いんじゃないかって、俺は思うけどな。」
「…あたしは、このゲームがどうじゃなくて…。あんた達が嘘ついたことに怒ってるわけなの…!」
少し微笑みながら後藤田が説得してきたが、怒りの矛先はそこではないのだ。
「ならもう1回謝るよ。悪かった。」