第6章 乙女色コントラスト
「スイマセン…一五さん…」
「悪かった。」
「……ごめん。ちょっと…その、魔が差してさ…!」
全員謝ってきた。こうもあっさりと謝られると少し変な気分になる。自分が悪いことをしたような…そんな気分。
「…いいわよ、でも次は無いと思いなさいよね!」
「わかったよ」
後藤田はそう言って、思い出したかのようにお好み焼きを焼きだした。
「あたしやってみるわ。これ。」
「マジで?できるの?」
「なによ。あたしに出来ないものなんてないのよ」
私は一前寺市で最強と呼ばれる『鬼の桃百合』だ。
この私が怖いと言っていたら、それが弱点であり、弱点がある時点で最強ではない。
「やるわよ。あんた達もやってるんでしょ?なら、あんた達に勝って、こっちでも最強の座を取ってやるわ。」
5人の笑顔がみえた、新田駅近くのお好み焼き屋。
騙されても、それでも一緒にいたいという友情が堅かった。
この日5人が解散して、一五が家に帰った時にはすでに日付がかわっていた。