第6章 乙女色コントラスト
「ふぅ~、あんまり混んでなくてよかったな。」
「そうだねー、井上もうちょっと奥行けよ。」
和を貴重とした上品な内装は、とてもお好み焼き屋には見えなかった。テーブル席はないようで、5人で御座敷に座った。隣は井上で、その隣に明石が座る。
全員がそれぞれ食べたい物を頼んで、少し時間ができた。
「そうだ一五。これやってたりする?」
「ん、なにそれ。」
明石の手にあるスマホにはある専用アプリが映っていた。
「…リトルポリス?それがどうしたのよ?」
《little police》確かにそう書かれていた。しかし私はその存在を知らない。
「…え、お前これ知らねーの?(笑)やべぇな(笑)」
山野井が指を差しながら笑ってくる。
よく見れば後藤田も井上も見えないように笑っていた。
「知らねーならいいじゃん(笑)登録させたら?」
「なによ、なんなのよ。教えなさいよ!」
膝立ちになって問い攻める。そんなに時代遅れが珍しいのか、だれも教えようとしない。ようやく口を開いたのは明石だった。
「これ、よく当たるって噂の占いアプリなんだけどなー。」
「占い?」
私は意外にも占いが結構好きだ。占いごときで運命を左右されたくない気持ちもあるが、どうも不思議と気になるのだ。
「あ、一五さん占い好きですもんね~(笑)どうですか?」
「…占いなら、いいわよ。きっと飽きないし。」
私は自分のスマホを取り出すと、なんの疑いもなくダウンロードしてみた。
しかし何故か4人の笑いは治まらない。
「何でずっと笑ってんのよ!キモいわよ!?」
「だってそれ、一五の苦手な普通のゲームだから…!(笑)」
全身の鳥肌がたったのが直ぐに分かった。