第6章 乙女色コントラスト
ツカツカと5人並んで歩いていた。もう15分は歩いただろうか、やっと最寄り駅の新田駅が見えてきた。新田駅を左に曲がってさらに10分ほど歩くと、そのお好み焼き屋についた。
「ん~~いい匂い。混んでなければ良いけど…。」
外まで漂ってくるお好み焼きの匂いに、全員頬を緩める。5人とも空腹が限界に近いのだ。
「でもいいの、一五。お前ん家、あの一五じゃん。門限とか厳しいんじゃないの?こんな所でブラブラしてさ…。」
「あんたそんな事気にしてんの?そんな馬鹿げた門限、小6の時から破り捨ててるわよ。」
「そうだぞ明石。一五はもうかなりのゴロツキだ。門限が怖いようじゃ俺らなんかとつるんでないよ。」
「ちょっと後藤田…。だーれがゴロツキよ!!」
「落ち着け一五(笑)」
「…あたしはあんた達のこと、本当に良い連れって思ってるから。あんた達が自分のこと『俺らなんか』なんて言ったら……あたしが恥ずかしいじゃない!!」
顔を赤らめて言うと、4人は驚いた顔をしてちょっと照れていた。誰も目を合わせようとしない。
「…よしっ!!一五が頑張って可愛くしたお祝だ!!たくさん食えガキ共!!」
「いいね!!一五さんが誘ってるようだし、俺ん家で5人プレイでもしますか!!」
「「「「誰がするかぁあぁぁ!!!!」」」」
山野井の提案にふざけてノった井上がとんでもない事を言い出した。店の前でこんな事をしているのはかなり恥ずかしい。さらに、何より近所迷惑であり店の迷惑だ。
歩道を歩くサラリーマンやOLたちが皆こっちを見ているので、急いで店の中に入った。
「井上…後で覚えときなさい…。」