第6章 乙女色コントラスト
「でもよぅ、中高生当たったって大して金持ってなくね?俺ら金目当てだろぅ?」
「そうだぜぇ、一五さんも参戦しに来たんでしょ~?」
金髪とツンツンが私の意見に反論してきた。確かにそうなるが私にはそんな趣味はない。
「はぁ…、でもそのおっさんは止めときな。超うるさいし、バレるわよ。あたしは本屋行くから、ゲーセンはまた明日ね。」
「わーったよ!!良かったな糞じじい。」
仕方無さそうにゾロゾロと退いていく不良仲間達。
自分も後ろを向き、裏路地から街道に出ようとした途端、呼び止められた。
「おい制服のお前!お前こいつらの仲間か!?その校章、一前寺(いちぜんじ)高校の生徒だろ!!こんな悪行を一前寺の奴がするものか!!学校に訴えてやるからな!」
どうやらこのおっさんは私が止めに入ったことに感謝していないようだ。
しかもそのまま学校に訴えるなんて。
ふざけてるのかな。
少し笑いながら振り返る。
周りの不良仲間はヤバそうな顔をして私を一斉に見る。
誰も止めようとはしないのは、
止まらないから。