第4章 追憶セイヴァー
そのページを開けると、トップ画面に大きく《little police》のバナーやアドレスが映し出された。
少し下にスクロールすると、little policeのキャッチコピーや登録者の感想が描かれている。
さらに下にスクロールすると、別のアプリのバナーやアドレスがぎっしり詰まっていた。
俺は迷わずそのバナーをタッチし、little policeのページを開ける。
背景は黒色であまり良い印象ではない。
赤黒いグラデーションのかかったゴシック体で、その文字の周りには何かに靡く(なびく)ような模様が施されている。
このデザインは俺に非常に不快感を与える。そう考えながらゲームの内容に目を向ける。
〔それは現在の世界とは違う、別の現在の世界。言わばパラレルワールドの物語。平行した世界の謎を解決し、現在の世界の平和を守ろう!〕
内容的には悪くない。
人気アプリが格闘物でなかった事に俺は安堵の表情を浮かべる。
格闘ゲームが人気になるなんて、呆れてしまうだけだからだ。
詳細を調べていると目を疑うような事が書かれていた。
アプリの原案者の名前が
『ナルミ』
だったことに。