第4章 追憶セイヴァー
「……ナルミ。」
「どうしたんスか?蓮堂さん。」
考えていたことが声に出てしまい、想世に聞かれてしまった。
だが、想世に聞かれたところできっと想世はソイツのことを知らない。
だから問題はないだろう。
「いや、何でもない。」
「で、どうッスか?面白そうでしょ?」
俺の返答を待つ想世の顔は、自信に満ち溢れていた。
確かに悪くない。それにこれを考えた『ナルミ』って奴も気になる。
「ああ、登録する価値はありそうだな。」
「やぁったああ!!これで蓮堂さんもゲーマー入り決定ッスね!!」
蓮堂さん“も”って…。自分もすでにゲーマーですと言っているのと同じではないか。
「ゲーマーなぁ。ただ街を守るだけのゲームでそうなるとは思えないけどな。」
この『ナルミ』が俺の知っている『なるみ』かどうかは分からないが、俺は『なるみ』に関する手掛かりが欲しい。
あの日犯した過ちは今も鮮明に覚えている。
だからまた、あいつを探し出して守ろうと誓った。
俺が必ず、この手で。
「よし!!一発プレイしてみるか…!」
気持ちを切り替えるためにlittle policeをやってみることにした。しかし、
「一発プレイする前に、ご飯食べちゃって下さい!」
1人の少女によって、それは奪われた。
朝食開始、6時15分頃。