第8章 7 Connettersi~繋がり~
「実は私…この前先輩が告白されているところを見てしまったんです
あ、覗き見しようとしたワケじゃありません!
話が終わったら告白しようと機会を伺ってたんです」
『そうなんだ…』
「その時に、聞いてしまいました
先輩は忙しいから彼女を作っても構っていられないから作らないのだって
付き合ってくれてる子に寂しい思いさせるだけだからって…」
『じゃあ…なんで?』
告白したんだ?
「自分の気持ちに決着を付けたかったんです
結果先輩に押し付ける形になってしまいましたが、これで割り切れました
ありがとうございました!」
そう言うと一礼して逃げるように走って行ってしまった。
笑顔だったから痩せ我慢じゃあなさそうで安心した。
だって泣かれたら後味悪いじゃん。
…とは言え、こんな場所で告白されたのは初めてだ。
誰かに見られてないだろうかと思い、俺は辺りを見渡した。
された俺の方が神経質になってどうするんだと思ったが、誰もいなかったのでホッとした。
『(…最近の女の子は強いな…)』
玉砕覚悟…つーか承知で想いを伝えるなんて。
自分の気持ちを言葉にするだけで勇気がいる事なのに、断られるのを承知で伝えようとするなんて。
俺には無理だ。
絶対隠し通してしまうだろうな。
傍にいれるだけで満足してしまうだろう。
『って、女々しいのはどっちだよ』
気持ちに折り合い付けれずズルズルしちまう。
伝えたいけど伝えられないの繰り返しで自分で自分を苦しめる。
俺の場合はこうして最悪のローテーションを繰り返すんだろうな。
そう考えると…
俺に告白をしてくれた女の子達の行動に移せる勇気が…
羨ましく思った。