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Il mio modo

第1章 Incontro~出会い~


<<幼少期>>

十数年前、池袋のとある住宅地に引越しのトラックが到着した。
午前中から家具を配置し16時頃やっと業者のトラックが帰った。


「徹、この紙袋を階段の下に置いてくれるかしら?」

『わかったー』

「偉いなぁ徹は それを置いたら徹の新しい部屋を見てみよっか!」

『わーい!』


手渡された紙袋を階段の下に置いた少年・徹と、父親は手を繋いで階段を上りある部屋に入った。
引っ越したばかりでまだ何もないただ広いだけの部屋だった。


「此処が徹が大きくなったら使う部屋だぞ」

『おっきいね!』

「徹も大きくなるからいつか狭く感じるだろうけどな」

『へへっ』


父親は徹の頭をわしゃわしゃと撫でた。
髪がぐしゃぐしゃになるのに構わず徹は嬉しそうな笑顔を父親に見せた。
そこへ母親が父親の頭を軽く小突いた。


「こーら、まだ部屋の片付けは始まったばっかりよ」

「はいはい」

『おれもてつだう!』

「ありがとう でもこれから包装紙を取ったり忙しいから後で手伝ってね」

『えー、何か手伝いたい』

「じゃあ自販機でジュースを買ってくれるか?」

『! 行く!』

「父さんはコーラよろしく」

「じゃあ母さんはCCレモンお願いね」

『わかった!』

「迷子になるなよ」

「大丈夫よ、徹は貴方と違って方向音痴じゃないから」

「否定出来ん…」

『ははっ!』

「徹も好きなジュース一本買っていいからな」

『はーい、いってきまーす!』


小銭が入った財布を貰い靴を履いた徹は元気よく新しい家を飛び出した。


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