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Il mio modo

第1章 Incontro~出会い~


<<物語(現在)>>

「うおおおりゃああぁあああああ!!」



―――ドガッシャァアアアンッ!!



池袋の何処かで男の怒声と何かが破壊された音が響いた。
他の街では非現実的な事かもしれないが、この街では日常だった。


『今日も静雄は元気だなー』

「あ、徹さん!」


先程まで怒鳴り散らしていた男は平和島静雄。
強靱的な力を有し自販機を投げる程の怪力を持った彼の異名は【池袋最凶】や【自動喧嘩人形】など様々。
そんな彼に何の躊躇いもなく近付いたのは左顎に傷跡を刻み黒いコートを着た男だった。


『仕事は終わったのか?』

「終わりました」

『そっか じゃあ帰ろう』

「はい」


先程のケンカで地に伏した男達を放っておいて、二人は帰路を歩いた。


『はい、お疲れ様』


徹と呼ばれた男は静雄にポカリスウェットのペットボトルを手渡した。


「あ、」

『どうかした?』

「いえ、ガキの頃を思い出して」

『そーいえば俺が初めて静雄に会った時もポカリだっけ?』

「はい」


少し照れくさそうに受け取ると、静雄は早速キャップを捻った。


ペキペキッという音が小さく鳴った。


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