第7章 Negligenza~油断~
『静雄!!』
静雄を止めなければ。
そう思った俺は物陰から飛び出して静雄の手を掴んだ。
「っ、徹さ…」
『何やってんだ! 下手したら死ぬぞ!』
「止めないでください! 俺はコイツを、」
「ひっ…助け…!」
「あっ、てめぇ!」
『行くな!』
俺が来た事に驚いたがすぐに目が本気になって俺に反論した。
静雄にボコられていた男達は俺が静雄を止めてる間に一目散に逃げて行った。
静雄はその後を追い駆けようとしたが俺はそれを阻止した。
『どうしたんだよお前っ…何があった』
「っ、」
『別に言わなくてもいいから冷静になれよ』
追い駆けようとするのを止めた為、俺は静雄の腕を掴むのを止めた。
だが静雄は俺に背中を向けたまま動こうとしない。
ただ…何かに耐えるように強く拳を握っていた。
「…もう…」
この後続く言葉に、俺は耳を疑う事になる。
「俺に…関わらないでください」
『…は、』
関わるな…?