第6章 Preparazioni~準備~
『開放された~!』
「長かったな~」
入学式が終わり、クラス写真を撮り、担任の話を終えてやっと帰れる。
俺達は靴箱へと向かっていた。
「な~これからゲーセン行かね?」
「いいなそれ! プリ撮ろ!」
『あー悪ぃ、俺パス』
「えーなんでだよ~」
『人に会いに行くんだよ』
「わかった、女だろ」
『だから違ぇって言ってるし』
「だって太刀川、入学式ん時ずっと一年生見てたじゃん」
「目星付けたのか? それとも実は彼女!?」
『アホ、んなワケねぇだろ』
何でコイツ等はすぐに女に結びつくんだ。
まぁ一般の男の子には普通の思考回路なのかもしれねぇけど。
靴箱に着いたので靴に履き替えた。
『あ、』
校門に来神校生発見。
しかも間違えるハズのない俺の目的の人物だった。
『悪ぃ俺行くわ、んじゃ』
「おい太刀川…」
『静雄ー!』
「「「…え、」」」
ダチを放って、俺は校門にいる男のところに走った。
「! 徹さん!」
『一年生はまだ時間がかかると思ってたのに、早かったな』
「他のクラスはまだ長い話してたけど、俺のクラスは終わりました
俺の担任は面倒臭がりみたいっす」
『得したな』
「確かに あの…」
『ん?』
「徹さん、この後の予定は…」
『無いよ 一緒に帰ろ』
「はい!」
可愛い…子犬みたいだ。
いや、もう子犬ではないか。
んー…ゴールデンレトリバー?
『(クスッ)』
「どうしました?」
『何でもねぇよ』
「気にりますよ」
『何でもないってば』
「怪しい…」
『ただ静雄が可愛いなって思っただけだって』
「!/// 何でもなくないじゃないですか!」
『そうか?』
「…あれって…平和島静雄だよな?」
「スゲー怪力の…」
「なんで太刀川…あんな親しそうに…」
ダチが唖然としている事に気付かないで、俺達は学校を後にした。