第6章 Preparazioni~準備~
数ヶ月が経ち春が来た。
つまり俺は三年生になったワケだ。
ダチはみんな進路がどうのこうの騒いでるけど俺には関係ねぇだ。
だって進路っつーか、就職先がすでに決まってるからさ。
そんな俺達在校生は体育館に設置された椅子に座って待機していた。
[新入生が入場します]
そう、今日は入学式だ。
数ヶ月前まではどうしようかとアタフタしていたが、今の俺は違う。
『(静雄どこかな~)』
情報屋のあれこれを仕込まれたから恐れるものは何もなかった。
心配よりも楽しみでうずうずしてる。
静雄が俺と同じ高校に来るんだ!
俺と同じ制服を着るんだ!
楽しみだな~。
『…あ、』
「? どうした太刀川?」
『いや、何でもねぇよ』
「いい女見つけたか?」
『違ぇし』
見つけたけど、女じゃねぇよ。
『(静雄発見~)』
見覚えのある長身の男を見つけた俺は思わず口角を上げた。
あの小さかった子が俺と同じ制服を…なんか本当に兄貴になった気分だなぁ。
「…!」
『(やっほ)』
静雄も俺に気付いたみたいだ。
軽く手を振ると笑い返してくれた。
にしても静雄…本当に大きくなったなぁ。
いつか身長抜かされそう…。
あーもー早く校長の話終われ…。