第6章 Preparazioni~準備~
さて次の日の午後。
昨日電話した通り四木さんがやってきた。
「こんにちは」
『お世話になってます えっと…そちらの方は?』
四木さんの後ろに段ボールを持った男の人がいた。
「私の部下ですよ コレを運んでもらっただけです」
『そうですか どうぞ』
段ボールの中身が気になるけど先ず四木さんと部下の方を部屋に上がらせた。
「この机に置いてくれ」
「はい」
部下の方は四木さんの指示に従って机に段ボールを置くと一礼して部屋を出て行った。
「少し待ってくださいね」
四木さんは段ボールを開いてゴソゴソし始めた。
そして取り出したのは…
『…パソコン?』
黒いパソコンだった。
それもかなり高そうなものを…何度も言うがかなり高そうなものを。
「今や情報の基本はパソコンですよ
ネット上にはチャットや掲示板など情報が行き来する媒体になるものは色々ありますからねぇ」
『成程 でもコレ…かなり高いんじゃ?』
「安物を買ってハッキングされては困りますからね
因みに最先端のセキュリティプログラムをインストールしてあるのでご心配なく」
『だけど油断は禁物、でしょう?』
「流石ですね 言わなくてもわかってましたか」
『情報の怖さは身を以て知ってますから』
「確かに では始めましょう」
『お願いします』
俺は昨日の午後に買っておいたノートを用意して四木さんが説明してくれる内容をメモしながら教わった。
そもそも情報屋とは何なのか。
そして俺は何をするのか。
今日は俺の役目と基本的な操作だけを教わった。
勿論内容は企業秘密だけどな。