第5章 Beneplacito~承諾~
二人でいただきますって言ってプリンを食べ始める。
二人共可愛いけど明かなのは静雄だな。
幽くんは可愛いっつーより綺麗の方が言葉が合ってるような気がする。
『静雄の場合コタツにミカンよりコタツにプリンだな』
「否定出来ないよね」
「好きなんだから仕方ねぇだろ!」
『ははっ』
冬休み、流石に毎日ってワケじゃねぇけど、俺は静雄の家によく行く。
静雄や幽くんといるのは楽しいし、何よりあの家にいたくない。
会話のない静かな家、かと思えば爆発のように激しい口論が繰り広げられる。
静寂か口論かのどちらかしかないあの二人に俺の居場所はあるのだろうか。
いいや、俺の事なんて眼中にないだろうな。
「徹さん?」
『ん?』
「どうかしました?」
『んーや、ちょっと考え事』
心配してくれた静雄の頭を撫でて誤魔化す。
俺の家庭の事話したって難しくてわかるワケねぇだろうし。
て言うか知られたくない。
静雄達には笑ってて欲しいからな。