第4章 Invito~勧誘~
<四木side>
『ご馳走様でした』
「いいえ、私も楽しかったです」
『それは良かった』
「家まで送りましょうか?」
『大丈夫です ありがとうございます』
失礼します、と言って彼は帰路を歩いた。
車の中から私はその背中をしばらく眺めていた。
太刀川徹。
警戒心を持ちながらも私を探ろうとするあの冷静な目。
平和島静雄の名前を出した瞬間の攻撃的な目。
感情に流されず状況判断し応える才覚な対応。
そして人を思いやる優しさと強さ。
「使えますね」
上手くいけば我々に従順な犬にく育て上げる事が出来る。
彼は正に金の卵だ。
束縛はしないが逃がしもしない。
彼を手に入れるのは我々だ。
<四木side end>