第4章 Invito~勧誘~
「今この経済は情報化社会に移り変わっていってます
そこで我々の組織も情報専門の機関を設けようという話になったのです」
『そ、そこまで俺に話していいんですか? 機密漏洩…』
「お誘いしている方に隠し事は無用ですよ」
違うな、この人は俺がYesと言うのを確信しているからだ。
何と恐ろしい…これが裏で生きている人の洞察力って事か。
んで今のうちに俺を取り込んで自分達好みの人材に育て上げたいって事だな。
…ってわかってても、俺が得するのも事実だから完全に否定出来ないでいるんだよな。
俺にまで火の粉が回っていることが静雄にバレるのだけは何としても阻止したい。
かと言って易々と頷けない。
"そっち"の人間になるって事はそれなりの危険を伴う。
それで逆に静雄が危険な目に遭うのはごめんだ。
『すみませんが、今直ぐに答えは出せません』
「わかってますよ 返事はいつでも構いません」
そう言いながら四木さんは内ポケットから青いスマホを取り出して机に置いた。
「これを貴方に差し上げます」
『へ?』
「私の携帯番号が登録されています
返事が決まり次第いつでも連絡してください」
まさか俺が答えを渋ることも想定内だったとは…。
『わかりました』
「お待たせ致しました」
俺が丁度スマホを受け取った時、注文していたメニューが来た。
勿論食事中も他愛もない話をしていた。
<徹side out>