第3章 Deterioramento~悪化~
「おら」
『痛っ!』
街外れの裏路地へ連れて来られた俺は壁ドン紛いな事をされて頭を打った。
痛かったのと同時に複数で迫って来る事に苛立ってる俺は目の前にいる不良を睨んだ。
「この前静雄くんに怪我させられてさぁ…金出せよ」
『断る てめぇらが勝手に静雄を怒らせたのが悪ぃんだろ』
「勝手にキレたのはあっちなんだけどなぁ」
『んで、静雄に迫るのは怖くて俺に目を付けたか
ついでに一人では心細いからお仲間連れてってか?』
強がって見せてるけど…内心ヤバいと思ってる。
いつもは通行止めされてそっちが言ってる事を聞き流してそのまま放っておいてた。
でも今日は違う。
人気のない裏路地で背後には壁、しかもこんな状況で相手は三人ときた。
「生意気なんだよ…てめぇは!!」
『ぐっ!! がはっ!!』
俺の態度が気に入らなかったらしく、不良の男は俺の胸倉を掴んで手前に引いたと思ったら左頬を殴ってきた。
そのまま俺は壁に叩き付けられて頭と背中を強打し、無防備だった腹を思いっきり蹴りやがった。
『ゲホゲホッ!! ゲホッ!!』
蹴られた腹を抱えてその場に蹲った俺は咳き込む口に手を当てて咳きが止まるのに耐えるしかなかった。