第3章 Deterioramento~悪化~
病院を出てしばら歩いてみると、空が薄っすらと赤く染まっていた。
もう暗くなってるなぁ…そろそろ冬が近付いてくる季節か。
『…はぁ』
帰路を歩く俺の足取りは重かった。
学校にいる時間が楽しくて、静雄と過ごす時間が楽しくて。
それから…
「よぉ~太刀川くぅ~ん?」
『……』
またかよ…そう思った俺は嫌々声がした背後へと振り向いた。
ガラの悪そうな不良…"今日は"三人か。
俺が中学生になって変わってしまった事が二つある。
「お宅の静雄くんの事でさぁ…ちょっとツラぁ貸せや」
一つ目はこれ。
静雄の事で絡まれる事が増えた。