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Il mio modo

第2章 Riunione~再会~


"しずお"という名前に引っかかってから数日が経ったが、未だに誰の事なのか思い出せないでいた。
そして『まぁいいや』って放っておけない自分に疑問を抱いていた。
何で俺はそこまで"しずお"って奴の事が気になるんだ?



『はぁー』



重たいランドセルと原因不明のモヤモヤが俺を疲労させていく。
つい溜め息を吐いちまった。

そんな時俺は帰り道に自販機を見つけた。
丁度いいや、何かジュースでも買って気分転換しよう。
ランドセルを道路に置いて中から小銭入れを取り出して自販機に金を入れる。
さてどれにしようか…コーラはこの前飲んだからポカリでも…




『…あ、』



ボタンを押そうとした俺の指が止まった。



自販機…



ポカリ…



しずお…








そうだ…思い出した



『し、ずお…』



五年前俺が此処に引っ越して来たばっかの時、自販機の場所を案内してくれた少年の名前じゃねぇか。

しかも案内してくれた自販機は、正しくコレだった。

記憶喪失の人間が記憶を取り戻した時、こんな感覚に陥るんだろうか。

大袈裟に思うかもしれないが…俺はそのくらい驚き混乱していた。



名前が一緒なのは偶然か?

それとも…同一人物?



『…静雄』



あれから一度も静雄に会ってない。
今もこの地域に住んでいるんだろうか。
やっぱりその平和島って奴が静雄の事なのかな。

俺はポカリのボタンを押した。
ガタンッと落ちた音がしたから取り出し口から取って、早々キャップを開けた。
飲んだポカリの味はいつもと変わらない…のに、何故か物足りなかった。



『…探してみようかな』



何だろう…無性に会いたくなってきた。
静雄は俺の事覚えているのかな。
忘れてても俺を見れば思い出してくれるのかな。

ペットボトルのキャップを閉めランドセルを背負った俺は再び帰路を歩いた。
さっきまでのモヤモヤはなくなって、足取りが軽かった。


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